課題3テーマ「廃棄ゼロ循環型食品素材の開発と利用」:内山教授のリバーシブル凍結乾燥の研究進捗を報告します。

内山教授の『リバーシブル凍結乾燥』とは、生産現場で生鮮食品を凍結乾燥の技術で乾燥させて輸送し、港に到着したら蒸留水などで戻す技術を言います。これらの技術が開発されると、生産現場での食品ロスが削減され、食品の重量が軽くなることで輸送コストが削減、また常温で輸送できることからコールドチェーンに頼る必要がなくなるのでCO2削減にも繋がります。

高分子であるタンパク質医薬の専門家である内山教授は、食品に凍結乾燥を応用することにより、食品の細胞を壊すことなく凍結乾燥後に復元する技術を開発しています。

バナナを凍結乾燥するためのステップを紹介します。

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黄色のバナナを液体窒素で急速凍結します。
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3日間 -80℃で保存します。
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それから凍結乾燥機で水分を抜きます。
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凍結乾燥したバナナができました。

キズのないバナナでは丸ごと凍結乾燥に成功しますが、元々キズがあるバナナは凍結時に割れたりヒビが入ってしまうことが分かりました。キズがある場合でも前処理が出来るような技術の開発が必要です。

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蒸留水に浸して復元の検討を行っています。

また、重量ベースだと、50gのバナナが、凍結後は40g、乾燥後は13g 軽くなり凡そ1/4の軽さになることが分かりました。これらの結果から、輸送コストの削減に貢献できます。

生鮮食品はスライスやカットの加工を施した後、凍結乾燥することがほとんどで、特にバナナのような果物を丸ごと凍結乾燥して復元した例がないのが現状です。前述通り、もともとキズのあるバナナは割れてしまうため前処理する必要があることが分かりました。また、細胞を生きたまま凍結乾燥する技術を確立し食品に応用することが出来れば、日本の食品加工技術のさらなる発展に寄与することが可能となるため、引き続き研究開発を継続していきます。