境教授の『廃棄物ゼロミート』とは、生産・流通の中で発生した廃棄食料を燃やしたり、土壌に戻すだけではなく、もう一度タンパク質にしてお肉をつくろう、という研究です。食品残渣は色々なものが入っているので成分の特性は難しいですが、農産物からの過程の廃棄物は把握しやすく、昆虫や微生物を培養するのに利用しやすいのが特徴です。
食品廃棄物を出発点に肉をつくるためのステップを紹介します。
STEP
生産・流通過程で発生した廃棄される農産物を回収します。
例えば、とある商社さんが扱っている日本に陸揚げされたバナナは、年間100万トンのうち10万トンは腐敗や見た目による原因で廃棄されていることを聞きました。
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回収した農産物を昆虫やミルワームに食べさせます。
昆虫を粉砕し可食のタンパク質とします。
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これらのたんぱく源を固めて肉らしく成形します。
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成形した「肉」に色を加えて造形をします。
開発している3Dプリンタシステムに、これらの昆虫・微生物由来のインクを用いて造形を行います。
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廃棄物ゼロミートの完成
既に医療用に開発している3Dプリントを上記のような手法やシステムを利用して廃棄物ゼロミートの開発を目指します。
大豆・昆虫・培養動物細胞の中でどの代替肉が良いのかというのは、何を基準とするかに依ります。あまりにも農産物由来のものに頼ると森林破壊に繋がりますし、動物培養細胞に頼ることになると非常に高価になってしまいます。対し、私たちはこれらの廃棄農産物を元にして得られたタンパク源でお肉をつくり、SDGsに寄与できる新しい「廃棄物ゼロミート」の開発を目指します。