課題1テーマ 『食品揮発性成分のメタボローム解析』の進捗状況を報告します。

私たちは、バナナを例にカビやキズ、追熟に関する成分を様々な条件下において比較検証しています。

バナナの追熟検査をします。

採れたてのバナナの成分、熟していくときに発生する新たな成分が抽出される成分を比較検証をします。それは、例えばカビや圧力(=キズ)の成分であり、エチレンガスやアセトアルデヒドも含まれます。

バナナを様々な環境条件で検証します。

冷温で保管しているバナナ。追熟度も様々な状況下で検証しています。

例えば、コンテナ内で輸送されるバナナは保管場所に依って温度環境や圧力が全く異なります。わたしたちは、類似的な状況下でどの温度環境が一番エチレンガスの放出を制御するか、またエチレンガスの濃度を調整すれば熟成まで保つことが可能かを検証していきます。

バナナの種類で検出される成分を比較検証します。

フィリピン産のキャベンディッシュ
国産の皮まで食べれるバナナ

スーパーなどでよく見かけるバナナはほとんどがフィリピン産のキャベンディッシュという品種です。そこで、最近メディアなどで取り上げられている国産の皮まで食べられるバナナの成分を比較検証します。

上記3つの条件で成分の検出方法を網羅的に解析します

最新のGCMS(ガスクロマトグラフィー質量分析計)で、種々の成分を検出しています。

予備検討結果

Bananas Banana Tree Fruit Cute  - analogicus / Pixabay

現段階の実験結果で複数の成分を見つけることができました。これから色々な条件を加えていくと、微量でも新たな植物ホルモンが見つかる可能性があり、受容体に適応する重要な成分が見つかるかもしれません。すなわち、生産地から消費地まで最適な状態で輸送することが可能になります。また、カビ防止に繋がる成分や圧力を制御する成分を発見することが期待できます。

わたしたちは、新たに様々な実験を深掘りして温度・湿度・酸素濃度・炭酸ガスのセンサーを用いて、これからも実験の検証に取り組みます。