10/26-10/29日にインドネシアへ生産地の視察へ行ってきました。

わたしたちは、フードロスに関する主要なステークホルダーと社会実装について議論するためインドネシアへ行ってきました。また、本プロジェクトの実施対象である熱帯果実や水産物の重要なサプライチェーンに関連する現場を視察しました。

Day
ジャワ島で果実卸市場とパパイヤ農園を視察

ボゴールの果物卸市場へ

ボゴール(ジャカルタから約1時間)の果物卸市場を視察
ジャワ島内から運ばれてくるドラゴンフルーツ。どこでも収穫できるが、ある年は生産量が多すぎて価格が暴落したので大量廃棄処分になった
スネークフルーツは主にジョグジャカルタから約15時間かけてトラックで運ばれてくる
見た目が悪かったり規格が合わないため廃棄される果物
悪臭が漂う現場
竹を網目状にした梱包材で運ばれてくる

パパイヤ農園へ

規格に合うパパイヤはジャカルタの大型スーパーへ納品され、規格に合わないものは地元のスーパーへ安く売りだされる
キズのあるパパイヤ
小さすぎたり大きすぎたりするパパイヤを選別している
早熟しすぎたパパイヤ(右)
規格外のパパイヤは捨てずに牛の飼料になる
ボゴール農科大学Sobir Ridwani教授に協力いただきました。

パパイヤ農園近くにあるパッキングハウスでは、選別の過程で食用に適さない多くの果実は牛の肥料になります。また、地元の小売店で売れ残ったパパイヤは生産者が引き取っていますが、大型スーパーへ納品されたパパイヤの売れ残りは、全て廃棄されているそうです。

国立革新研究庁(BRIN)食糧農業部門のDr.Puji Lestari議長と再会

Dr.Puji(中央)議長と会食
Sastia准教授とDr.Puji

7/5日に当該拠点の国際シンポジウムで講演いただいたBRIN食糧農業部門のDr.PujiLestari議長と再会しました。BRINはインドネシアの研究を統括する機関として、本プロジェクトの成功に向け、全面的に協力を約束して頂きました。

Day
スラウェシ島知事と面会後、水産物の生産地を視察

スラウェシ島 H.RusdyMastura知事と会談

スラウェシ島州知事と面会。
プロジェクトについて説明し意見交換した。
インドネシアで我々のフードDX技術が社会実装されることを高く評価頂いた。

スラウェシ島中部は、水産物を含む生物多様性が非常に豊かである一方、コールドサプライチェーンに関するインフラや技術が非常に少ないことが分かりました。

Donggala港で地元の漁師と面会

政府高官が漁師へ直接漁獲指導している。
氷で冷やして南部Makassar港へ48時間かけてトラック輸送する。
冷凍保存されない為、新鮮さを重要視する国には輸送できない。

Donggala港には冷凍加工できる工場があるにもかかわらず、工場で冷凍できる漁獲量と光熱費のコストが見合わないために、結局氷詰めにして南部まで輸送していると聞きました。これらのサプライチェーンを最適化するとフードロスが削減でき、日本の食卓にインドネシアから新鮮で美味しい魚を食べることが出来ると感じました。

Day
エビ養殖場とチョコレート工場へ視察

Donggala港エビ養殖場へ視察

エビ養殖場。水質の良い30以上の池を保有
活き活きとした大きなサイズのエビ
カゴに入れて南部Makassar港へ運ぶ。

日本では見たことのないような大きく良質のエビは、生産地の冷凍設備が完備していないため、氷を搭載するだけの輸送に頼ります。「新鮮さ」を維持できないため海外輸送は難しいとのことでした。

チョコレート工場へ視察

政府高官が農家へ指導を行っている
良質なカカオ

発酵したカカオの方が品質が良いのですが、時間が掛かりかつ費用を早く回収したい農家は未発酵のカカオを低額で菓子メーカーへ卸しているのが現状です。例えば、付加価値を付けるために農園近くに発酵工場を設立しカカオを回収・発酵済みのものを菓子メーカーへ卸すことで彼らの安定した収入と「生産・加工」のサプライチェーンの確立が出来るのではないかと思いました。

まとめ

スラウェシ島での視察が新聞に掲載されました。

最後までお読み頂きありがとうございました。実際の現場で生産地の人々との談話や現地政府の取組みは、新たな知見を深める気づきとなりました。当拠点のフードDX技術が社会実装できることへ一歩近づいてきたように思います!